2013/02/11 立川流夜席

今日は上野広小路亭立川流夜席へ。立川流噺家を見るのはいつ以来だろう… 家元談志がお隠れになってからは初めて。結局、立川談志師匠の高座は見ずじまいになってしまった。私が落語を見始めた最初期には、まだまだ談志師匠も現役で高座をつとめていたことを考えると非常に残念。

今日の主任(トリ)はぜん馬師匠。故談志師匠の弟子の中でも古参だが、実は私自身はあまり相性が良くない。とはいえ、他の寄席もいまいちのラインナップであり、消極的な理由からの選択でした。

らく人さんは志らく師匠のお弟子さんで、「牛ほめ」も志らく師匠風のくすぐりがたくさん入っていた。まだまだ憶えた噺をようやく喋っている感じだけれど、声の出し方なんかはよかったのではないだろうか。吉笑さんは談笑師匠のお弟子さんで、異例なスピードで前座から2ツ目に昇進した期待のホープ。初めて見たけれど、なるほど、噺は2ツ目らしからぬ上手さ。思わず唸るほど。しかし、新作のストーリー自体が練り込まれておらず残念。個人的に新作が好きではないということもありますが。談吉さんの「よかちょろ」は演者の雰囲気と話の内容がぴったりあっていたこともあり、非常に良かった。赤く染めた髪の毛は、古典をやるにはちょっとマイナスポイントだが。里う馬師匠は、隠居が八五郎に俳句を教える「雑俳」。談笑師匠は古典の「居酒屋」という作品を、居酒屋の店員を小僧でなくて外国人にアレンジした「イラサリマケ」。イラサリマケはいらっしゃいませを外国人っぽく訛らせた言葉で、言葉遊びが楽しい一席です。ちょっと下ネタが多い噺なんだけれど、前の席に子供がいたからか、少しやりにくそうにやっていました。トリのぜん馬師匠は左甚五郎もので「ねずみ」。うーん、やはり相性の悪さを感じてしまいました。こういうサラッとやる落語を好きな人のほうが通なのかもしれないのですが、どうしても演者に熱を求めてしまいます。

立川志らく師匠は一度生で見たいなぁ、とらく人さんを見ながら考えた夜でした。