春風亭一之輔独演会

一昨日までの穏やかな陽気から一転、昨日はコートが必要なくらい寒い一日でした。
午前中家事を済ませた後は、あまりの寒さに外に出る気にもならず、家でゴロゴロ。
夕方からはチケットをとっていた落語会に行って来ました。

春風亭一之輔師匠は、昨年21人抜きの大抜擢で真打ちに昇進した落語会期待の新星。

私が落語を聞くきっかけとなったニフティ主催の落語ポッドキャストの常連で、2つ目だった時代から「うまい噺家」として話題になっていました。
一之輔師匠の落語はその落語ポッドキャストから始まり、寄席でも何度か聞いていますが独演会は初めてです。

・古今亭きょう介 「からぬけ」
春風亭ぴっかり☆ 「鼓ヶ滝」
春風亭一之輔 「花見の仇討」
春風亭一之輔 「子別れ 子は鎹」

開口一番は古今亭きょう介さん。初めて聴く前座さんでした。これだけいっぱいのお客さんの前で話す機会のある前座さんはラッキーだなぁ。

ゲストは春風亭ぴっかりさん。ここのところ増えてきた女流落語家さんの中でも、口跡が良くて声も良く話が聞きやすい。女流噺家さんって、高い声が耳についてしまう事もあるけれど、ぴっかりさんそれがありませんでした。
「鼓ヶ滝」という演目は登場人物も多くて難しい演目だと思うのだけれど、「2つ目でこれをやるんだ」という感想。おじいさんとおばあさんの演じ分けでは、少し辛いところがありましたが、全体的にはなかなか良い。いい意味で古典落語の枠を壊している気がします。「絵本の読み聞かせ」の感覚に近いのかな。

一之輔師匠の一席目は「花見の仇討」を熱演。こういう賑やかな噺は得意だよね。キャラクターを描き分けて、少しデフォルメしてわかりやすくしていて、聴きやすい噺でした。でも「六十六部」っていう言葉を知っている人は多くないはず。見ていたらどんな役回りなのかわかるのですが、それがサゲに関連しているのがこの演目の難しさか。
二席目は「子別れ 子は鎹」。賑やかな噺が得意な一之輔師匠では初めて聴くしっとりした演目。すこしガチャガチャした演出も入っているけれど、子供を演じるのがうまいなぁ。こういう噺でもきっちり笑いをとっていくところはすごいと思いますが、もう少し落ち着いた噺も聴いてみたい。まだまだ若手の真打ちにそれを期待するのは可哀想かもしれませんが。

ぴっかりさんも一之輔師匠も比較的自由に演じるタイプですが、春風亭の芸風なのかなぁと感じた一日でした。